展示会

吹き出しが描ける写真展: 谷川俊太郎さんの書きおろしとともに

展示会
開催期間
吹き出しが描ける写真展: 谷川俊太郎さんの書きおろしとともに

吹き出しが描ける写真展: 谷川俊太郎さんの書きおろしとともに

2023年に出版したフォト絵本『記憶と空想』から47点の写真を展示します。そのうち20点には、谷川俊太郎さんが書き下ろした言葉が添えられています。1990年代のNYで撮影した、日常の飾らない瞬間を切り撮った写真を眺めながら、それぞれの空想を広げてみてください。この写真展は、来場者が自由な発想で吹き出しを書き込むことで完成する、参加型の展示です。本や写真、Tシャツやポストカード等の販売、「写真DE対話あそび」ワークショップも同時開催します。



対話ワークショップ風景




個展(入場無料)
フォト絵本の発売&サイン会も同時開催(一冊:6,600円 税込み。手に取ってご覧いただけます)

*会期 2025年4月30日(水)~5月13日(火)会期中無休
*会場 ブックハウスカフェ ギャラリーこまどり(右奥のギャラリー)
*住所 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F
ブックハウスカフェへのアクセスはコチラ
*TEL 03-6261-6177
*時間 11時00分~18時00分  ※最終日17時00分まで
*入場無料
*展示のお問い合わせ: Midori S. Inoue (いのうえみどり) midoris.inoue@me.comまで

ブックハウスカフェ個展2024:



<プロフィール>
Midori S. Inoue(いのうえみどり)

<作者紹介> インスタ:midoris.inoue
1987年、エクスチェンジティーチャーとして渡米。その後、ジョージ・ワシントン大学、及びノースウェスタン大学にて Communication / Fine Arts を学び、在米日本大使館にて勤務。
1991年ニューヨーク移住後、スタジオを持ちフォトグラファーとして活動を始めると同時にICP (インターナショナル・センター・オブ・フォトグラフィー)にてティーチングアシスタントとして働きながらフォトアート作品を作る。
以降、ニューヨークを中心にアジアやヨーロッパのストリート写真を撮り、恵比寿三越アトリウムギャラリーや広島三越等各地で個展を始める。青山スパイラルホールでの SICF 出展、2002年 NY GROUND ZERO 9.11 追悼式典に参加する等、幅広く活動。本拠地を東京に戻し、2011年「 Hug 」をテーマに新たに活動を始め、2014-2015年 ギャラリーカフェmu、2023年 パンオスリール/ブックハウスカフェ/川越市立美術館/俊カフェなどで個展を開催。
2023年に『記憶と空想』フォト絵本を出版。1990年代のNY生活で切り撮ったストリートフォトを題材に、写真からそれぞれ自由な空想を楽しんでほしい。忙しい日々の中で心を解放し、言葉や物語、絵、落書きを綴って、あなただけ、または家族だけの一冊を育ててほしいという願いを込めて丁寧に制作する。また、写真を見て感じたことを言葉にして対話を楽しむ「写真DE対話あそび」を学校や各地のワークショップにて開催。個展は来場者が自由な発想で吹き出しを貼ることで完成する参加型。


フォト絵本『記憶と空想』の出版にあたって
Midoriが20年来想い続けた谷川俊太郎さんといくつかの偶然が重なり巡り合い、詩の書下ろしをお願いしたところ、20篇の詩を作って頂きました。お一人でも多くの方の想いも一緒にこの本に載せようとクラウドファンディングをかけたところ、300人余りの方のご賛同を頂き、出版するに至りました。
第一章は俊太郎さんの詩、第二章は写真の脇に大きく余白を設け、どなたでも自由に書き込める構成としました。正解もルールもありません。落書きでもいいんです。空想したことを書いたり、一人一人の自由な発想で楽しんで頂けます。
「居間で家族みんなで楽しみながら書き込める本、話し合える本、コミュニケーションのきっかけになる本」をコンセプトにしました。手に取り、「匠」の技(*)を感じながら、長く付き合えるように、入念な装丁にしています。

(*) 大手の企業広告も手掛けるH2Oさんによるブックデザインと構成。書体設計士 鳥海修さんによるオーダーメードの「朝靄かなフォント」、美篶堂さんによる表紙の手製のフランス装と和紙の風合いの新だん紙、これまでも俊太郎さんの本を手掛けた山田写真製版所さんによる3色モノクロスミ印刷、谷川さんの詩を1967年以来翻訳しているWilliam I. Elliottさん・西原克政さんらによる日英同時表記。

Amazon購入サイト:


Midori S. Inoueのことインタビュー記事前半:noteに掲載
https://note.com/midorisinoue/n/nb603a2ea6808

Midori S. Inoueのことインタビュー記事後半
谷川俊太郎さんに書いていただく。そして出版:noteに掲載
https://note.com/midorisinoue/n/nf7e93874ccb0

Midori in the Wonderland
https://studio.youtube.com/video/McZ4B1kytaU/edit


ベーシスト/音楽プロデューサー亀田誠治氏から寄せられた言葉
井上緑さんが、ご自身で撮られた写真と谷川俊太郎さんの詩が物語を紡ぐフォトブックを出すという。 緑さんは30年以上も前からの仲間で、初めて知り合った時は、確かインターンでワシントンD.C.に在住している利発&活発女子のイメージだった。井上家には本当にお世話になりっぱなしで、僕がプロの音楽の世界に入ったのも、緑さんの旦那さんであるレコーディングエンジニアの井上剛さんが僕のことを可愛がってくれたのがきっかけだ。出会った頃、緑さんと剛さんは新婚でN.Y.のアパートでみんなでご飯を食べたり、タイムズスクエアのニューイヤーカウントダウンに行ったり、僕たちはたくさんの思い出を作った。そういえば、あの頃から緑さんはどこへ行く時もカメラを片手に持っていて、気がついたらパシャっと僕らの思い出を切り取っていた。
緑さんのフォトブック「記憶と空想」には、僕の大好きなニューヨークを切り取った写真が溢れている。僕は1964年に、当時ニューヨーク駐在中の両親のもとで生まれた。出生地はニューヨーク。ちょっとかっこいい。しかし実のところは1歳半で赤ちゃんの時に帰国。だからその頃のニューヨークの記憶はない。でも緑さんの写真を見ていると、その一つ一つが自分がまるでそこにいたかの如く、強い既視感で迫ってくる。そしてなぜか、懐かしみと、嬉しみがじわーっと込み上げてきてあったかい気持ちになるのだ。
このフォトブックは二部構成になっていて、第一部の「記憶」には一葉の写真に谷川さんの詩が音楽のように寄り添っていて、まるでモノクロのフィルム映画の世界を旅しているみたいだ。そして、さらに素敵なのは第二部の「空想」ではその物語を僕ら自身に委ねられているところだ。どの写真にも自分だけの物語を描くことができる。もしかしたらそれは見るたびに違った物語になるかもしれない。切り取った写真が過去ではなく、現在、そして未来になるのも僕らの空想次第だ。なんだか大人になっても一人遊びできる秘密基地を見つけたような気分でちょっと嬉しい。
余談になるが、去年の夏初孫が誕生して、僕はおじいちゃんになった。お宮参りの写真を迷わず緑さんに撮ってもらった。新しい命が笑顔になってつながっていく。緑さんが切り取る瞬間があったかくて大好きだ。
亀田誠治