第7回ブックハウスカフェ大賞銅賞を受賞した、おくやまゆかさん作『たいふうこぐま』の原画展を開催します。

いつもおおさわぎでまるで台風ようなこぐまの暮らす山に、本物の台風がやってきます。きかんぼうのこぐまは、川に釣りへ出かけますが、風が強く動けません。その様子を見ていたのは、気のいいミックさんでした…

もしみんなからやっかい者扱いされているひとが困っている場面に遭遇したら、みなさんはどうしますか？わたしはこの絵本に出てくるミックさんのように、すぐに手を差し伸べられるひとになりたいなと憧れています。また、感謝の気持ちを上手く表現できないこぐまにも親近感を感じて、たいふうこぐまのことが他人とは思えないのです。
おくやまさんが描くたいふうこぐまの表情は「だれの言うこともきかないんだから」とちょっぴり頑固さもありつつ、まだまだ幼さも感じられ、絵本を読み終わるころにはすっかりファンになってしまう愛らしさがあります。なんだか昔から知っていた絵本のような懐かしさも漂い、幅広い年齢の方に楽しんでいただける絵本です。

台風の日のできごとを描いたシンプルな物語の中にも、心があたたかくなる瞬間にあふれている『たいふうこぐま』の貴重な原画展を、ぜひご覧ください！

作家プロフィール

【作家】

おくやまゆか

photo ©︎ 石渡朋

1976年生まれ。マンガ家、絵本作家として活動する一方、図書館に勤務。マンガに『たましい いっぱい』（第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞）『むかしこっぷり』（いずれもKADOKAWA）、『コットリコトコ』（小学館）、児童書に『うりぼうウリタ』（偕成社）、『三まいのはがき』『もじゃもじゃドライブ』（いずれも福音館書店）、装画・さし絵を手がけた作品に『ふたりは世界一』（偕成社）などがある。友人たちと、マンガと小説の雑誌「ランバーロール」を主宰。

関連書籍

『たいふうこぐま』

(おくやまゆか／ほるぷ出版)
2023年8月発売

＜あらすじ＞
まちのちかくのやまにすむこぐまは、なかなかの　やっかいもの。つりばではバケツをけっとばし、いちばでは　わめきちらし、まるでたいふうのようだとまちのひとたちはめったに　よりつきません。あるひ、ほんもののたいふうがふきあれて……… 台風みたいにやってきて、台風みたいにさっていく、小さなあばれんぼうこぐまの心あたたまるお話。